出窓って

鉄筋コンクリート造

出窓。ブリタニカ国際大百科事典小項目辞典の解説の抜粋では、「垂直壁面に対して外部に張り出した窓。窓扉の下部が棚状になっていて、器物などを置くために利用されることが多い。西洋建築に特有の一形式。」となっている。

出窓に限らずですが、雨漏りの観点から考察した場合、雨を受ける形状(平面や斜面、谷樋、庇、出窓、水切りなど)は雨の自然な流れを滞らせます。その間に雨は横方向への浸水の機会を伺い始め、隙あらば室内側へ移動しようと目論むのです。ご存知のように、雨に限らず水分には表面張力や毛細管現象など特有の性質を持っていますので、時には重力を無視した動きもします。下記写真の出窓からの雨漏り事例では躯体コンクリートとサッシ埋めモルタル間の接着不良(後日の収縮が原因の場合も多いと思われる)などにより雨漏りが発生しておりました。以前にシーリングで補修した形跡がありましたが残念ながら的はずれだったようです。この手の出窓からの雨漏りは少なくありません。年に数回対応しています。出窓自体に問題が有るというよりは出窓の納め方に問題があると思います(キッパリ!)。鉄筋コンクリート造の建物は木造建築と違い二次防水層がありません。せいぜい捨てシーリングぐらいでしょうか。よって、経年劣化=雨漏り発生、という構図が多く見受けられます。

今回は接合部を覆うアルミのカバーを取付けて対応しました。ベストな対応かどうかは考え方により意見はいろいろあると思いますがベターな対応ではないかと思っております。

問題の出窓です。

浸水箇所出窓の上のタイルを撤去してみました。

出窓カバーカバー取付け後。

いよいよ師走です。今年も残り少ないですが安全第一で乗り切りたいと思います。今年の雨漏り関連で最大の出来事と言えば10月6日に襲来した台風18号だったのではないでしょうか。未だ補修が完了していない物件もあるほどです。あんなのが連続して襲来してきたらどうなってしまうのか・・・。あまり、考えないようにしたいと思います。関係各位様には今年も大変お世話になりました。来年もスタッフ一同精一杯頑張りますので今後ともよろしくお願い申し上げます。

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