個人住宅2軒にて同じ大手ハウスメーカーの建物で同じ不具合に出会いました。ベランダの塩ビシート防水に亀裂が発生しています。ビル、マンション等で使用するシートと比較すると少し薄い材料になっています。
塩ビシートは比較的耐候性が高いと言われておりメーカー仕様によっては20年間メンテナンスフリーと謳われているものまであるようです。すごいですよね。(今や30年保証まで出現!)
しかし、塩ビシートも紫外線の影響で柔軟性は衰えますし以外に縮むんですよ。縮むだけならいいんですが、縮む力で固定金物を引っ張ったり、金物が動かないとなるとシートの中で引張力が強く作用する場所に亀裂を生じさせたりします。亀裂は当然雨漏りに直結します。
それこそ築20年前後も経過している建物であれば全面防水改修という判断にもなるでしょう。しかし、保証書の効力が無くなった10年目以降の例えば11年目とか12年目ではなかなか全面改修の決断はしにくいところだと思います。一部しか問題ないのに全面改修?って思うのは当然でしょう。面積が大きければなおさらだと思います。
ところが、塩ビシートの厄介なところは補修しにくいというところなのです。補修方法はいくつか考えられるのですが、例えば既存のシートの上に同じ材料でパッチ補修みたいな事を行う場合、付着が芳しくないと言われています。他の材料にしても同じく付着が弱くなる傾向にあります。もちろん目粗ししてもです。すぐダメになる訳ではありませんが何せ耐用年数が低くなりがちで再補修を念頭に置きつつ作業にあたる場合が少なくありません。シートの収縮する力はハンパなく非常に厄介です。シーリングだけの補修では速攻剥離破断します。
最近では耐候性を大幅に改善した補修用テープもあるようです。少しコツが必要ですが収縮性も高く数年間は止水効果を維持できると思います。少なくとも毎年手を加えるという最悪の事態は避けられると思います。全面改修の時期まで持ち堪える事を期待します。
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