‟生コン”とはいわゆる「レディーミクストコンクリート」(ready mixed concrete)の事であり固まる前の状態を差しますが、一般的に話題となる‟コンクリート”とは固まった状態のものを言います。
あまり専門的な事までは知識不足なため語る事はできませんが建築関係では主に圧縮力をコンクリートが、引張力を鉄筋が負担しています。
コンクリート単体では建築物としての強度は著しく弱いものですが鉄筋を併用する事で強靭な建築が可能になっています。この組み合わせは【奇跡の一致】と言われています。
コンクリートも鉄筋も外気温の変動に伴い膨張したり収縮したりしているのですが、両者の熱膨張率が異なっている場合はお互いの動きに追従出来ずにコンクリートは内部から破壊されます。
しかし、両者の熱膨張率はほとんど同じだったため破壊は起きず構造物として永く存在出来るという事なのです。金属は種類によって膨張率が異なりますが強度の見込める鉄の膨張率だけがコンクリートと同じだった事は自然の事とはいえ人類にとってはとても幸運だったと言えるでしょう。
鉄の錆は酸素に触れる事で発生しますが、コンクリートが密着している状態であれば錆の発生も抑えられます。
元々、コンクリートは強アルカリ性なので鉄筋の表面に不働態被膜というものを形成する事で長期間鉄筋を錆から守れるらしいです。【熱膨張率の一致】、【圧縮力担当と引張力担当】、【強アルカリにより鉄の弱点を克服】、これらの偶然が重なって初めて鉄筋コンクリート造というものが成立し、現代の人類発展の礎となったという訳です。
ちなみに、コンクリートのアルカリ性は非常に強く、私が現場監督の少年兵時代にその事を知らずに素手で生コンに触れていたところ、翌日から徐々に手の皮膚が剥がれ始め、数日で両手全部が脱皮?しました。(笑)
痛みなどはありませんでしたがかなり驚いた事を記憶しております。ピーリングのハードバージョンみたいなものでしょうか。おかげでしばらく手はツルツルで綺麗でした。
酸も怖いですがアルカリもやばいなと感じた出来事でした。皆さんも生コンには気をつけて下さいね。