突き抜ける軒先水切り(唐草)

%e5%94%90%e8%8d%89%e7%ab%af%e9%83%a8【改善作業状況】

軒先の水切り金物(唐草タイプ)が立ち上りのルーフィングを突き破っていました。(緑線が撤去前の水切り位置)

下の写真は小屋裏内の雨漏り再現状況の様子です。

%e5%b0%8f%e5%b1%8b%e8%a3%8f%e6%b5%b8%e5%87%ba【散水調査状況】

コロニアルの不具合が原因できわ谷金物の下部に雨水が回り込み、屋根先端付近のルーフィングの穴から小屋裏に浸出していました。その後、軒裏を移動した雨水は壁内を落下し下階で雨漏り事象となっています。再現に時間を要する調査のため結果を導き出すまでに数日間を要しました。

入隅部分のルーフィングは直角(矩)には施工しにくいためその付近の金物の取付けには細心の注意を払う必要があります。ルーフィングを下地に密着させないと空洞が生じ破断しやすいという訳です。

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おそらく新築時からこのような状態だったと思われますが、数年前に雨漏りを改善させる目的もあって外壁を塗り替えたとの事でした。当然ながら外壁の塗装ではこの雨漏りは改善しなかった次第。ちょっとした施工時の不注意が後に余計な予算を浪費させる事もあります。

 

 

耐用年数

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防水工事後、施工業者はオーナー様に保証書を提出します。防水工事の場合、保証期間は10年間というケースが大半だと思いますが中には仕様によって5年だったりとか、塩ビシートなどでは20年メンテナンスフリーなどと謳われているものまで開発されています。メーカーと施行者の連名で捺印して提出する事が多いと思いますがそれぞれの責任は同じという訳ではありません。メーカーは材料に起因する不具合に対応し、施行者は施工状況や施工方法などにに起因する不具合に対応しています。現状、施工に起因する不具合に比べれば材料が原因の不具合はほとんどないと言えるでしょう。ですから、保証期間内に剥離や雨漏りなどがあった場合のほとんどは施工業者が対応する事になります。実際、不具合の発生は施工方法や施工条件などに起因する可能性の方が高いというのが事実ですのでこれからもそのような対応がなされていくと思います。まずいのは、施工業者が廃業などの理由で保証期間内の不具合に対応出来なくなる事です。その場合、オーナー様は必ずメーカーに連絡を取る事になると思いますが、先ほど述べたようにメーカー側は材料に起因する事案にしか対応しません。オーナー様は泣く泣く別の施工業者を探し、予算を使って補修などを検討していかなくてはならないのが現実であります。とても不条理な事に感じます。そもそも材料に耐用年数を全うさせる為にはやはりメーカー側が推奨する方法を守らなくてはいけないのですが、全ての業者さんがそうしているとは残念ですが言えないようです。

先日、階段に防滑シートを貼る作業を見ていた時に思い出した事がありました。本来、シート系の工事や防水工事に於いて入隅部分の納め方の基本としてコーナー加工という方法があります。シートなどを直角に近い形で曲げると材料に無理な力が作用し耐用年数が落ちる為、滑らかな形で貼れるように行う方法で、モルタルで成型したり最近では塩ビなどの加工品を用いたりしています。材料や仕様によってそのような方法を必要としない種類もありますがほとんどはコーナー加工を用いています。しかし、階段防滑シートの場合、入隅にR面木を入れてない輩が多く見受けられます。その場合、内部は空洞です。よって、何らかのタイミングで穴が開いてたりします。子供なんかがそれを発見してしまうと面白がって傘などでつついていたりして更に劣化が進行します。そして、雨が入り込む事になります。内部に侵入した水分は劣化を助長させてしまい結果としてシートの剥離などが発生します。その穴だらけの光景を思い出した次第です。

耐用年数とは、正しい方法で施工を行った場合にのみ有効に機能するのです。高価な材料を選定しても施工に問題があれば本来の性能は発揮されないでしょう。施工の未熟さを材料がカバーしてくれる事はありませんから。

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株式会社 建水プロテクト

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