耐用年数

DSCF7262 DSCF7264

防水工事後、施工業者はオーナー様に保証書を提出します。防水工事の場合、保証期間は10年間というケースが大半だと思いますが中には仕様によって5年だったりとか、塩ビシートなどでは20年メンテナンスフリーなどと謳われているものまで開発されています。メーカーと施行者の連名で捺印して提出する事が多いと思いますがそれぞれの責任は同じという訳ではありません。メーカーは材料に起因する不具合に対応し、施行者は施工状況や施工方法などにに起因する不具合に対応しています。現状、施工に起因する不具合に比べれば材料が原因の不具合はほとんどないと言えるでしょう。ですから、保証期間内に剥離や雨漏りなどがあった場合のほとんどは施工業者が対応する事になります。実際、不具合の発生は施工方法や施工条件などに起因する可能性の方が高いというのが事実ですのでこれからもそのような対応がなされていくと思います。まずいのは、施工業者が廃業などの理由で保証期間内の不具合に対応出来なくなる事です。その場合、オーナー様は必ずメーカーに連絡を取る事になると思いますが、先ほど述べたようにメーカー側は材料に起因する事案にしか対応しません。オーナー様は泣く泣く別の施工業者を探し、予算を使って補修などを検討していかなくてはならないのが現実であります。とても不条理な事に感じます。そもそも材料に耐用年数を全うさせる為にはやはりメーカー側が推奨する方法を守らなくてはいけないのですが、全ての業者さんがそうしているとは残念ですが言えないようです。

先日、階段に防滑シートを貼る作業を見ていた時に思い出した事がありました。本来、シート系の工事や防水工事に於いて入隅部分の納め方の基本としてコーナー加工という方法があります。シートなどを直角に近い形で曲げると材料に無理な力が作用し耐用年数が落ちる為、滑らかな形で貼れるように行う方法で、モルタルで成型したり最近では塩ビなどの加工品を用いたりしています。材料や仕様によってそのような方法を必要としない種類もありますがほとんどはコーナー加工を用いています。しかし、階段防滑シートの場合、入隅にR面木を入れてない輩が多く見受けられます。その場合、内部は空洞です。よって、何らかのタイミングで穴が開いてたりします。子供なんかがそれを発見してしまうと面白がって傘などでつついていたりして更に劣化が進行します。そして、雨が入り込む事になります。内部に侵入した水分は劣化を助長させてしまい結果としてシートの剥離などが発生します。その穴だらけの光景を思い出した次第です。

耐用年数とは、正しい方法で施工を行った場合にのみ有効に機能するのです。高価な材料を選定しても施工に問題があれば本来の性能は発揮されないでしょう。施工の未熟さを材料がカバーしてくれる事はありませんから。

DSCF7244 DSCF7245

 

nerimaten_big

株式会社 建水プロテクト

階段のノンスリップタイル部分の防水の取り扱い

階段のノンスリップタイル部分の防水の取り扱いでは意見が分かれるようだ。内部や下部に雨漏りしたりモルタルが浮くなどの理由で外階段の床面を防水しているケースは多いと思うが、段鼻のノンスリップタイルは防水しないのは何故か。ノンスリップに塗膜防水を施すと滑ってしまうとか、歩行の影響で早期に剥がれてしまうとかの理由だと思います。そして、隙間からの多少の染み込みには目を瞑るという事であろうか。

DSCF9001

 

そもそも外階段の雨仕舞はなかなか難しい。床周辺の劣化が進んで来ると見た目の問題も発生するのでどうしても何かしらの修繕をしたくなるのも頷ける。しかし、はたして表面的な防水は有効と言えるのか。しかも、ンスリップタイルを露出したままで。最近は階段用の塩ビ系の防滑シートなどによる改修が普及していますが端末のシーリングの劣化に伴う水分の浸入に関するメンテナンスに気を配り続ける事が必要です。今後も実益と意匠を満足させる工法の進化を見守って行きたいと思います。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。