鉄骨階段の錆は止まらない

 

 

先日の夕立の時、降り始めて数分後の鉄骨外部階段の状況です。
いつも同じ場所から流れ出ているようで蹴上面の塗膜の劣化は周辺より激しいようです。

段鼻にあるノンスリップ金物の下(裏)から雨水が流れ出している状況がわかりますが、この目に見えない隙間の中は今どうなっているのでしょう。

本来、鉄骨階段は“鉄”ですから当然錆びやすいです。外に設置されていれば尚更な訳です。ですので、それを塗装という被膜で守っていかなくてはなりません。ご存知のようにそれはなかなか手間の掛かることであります。しょっちゅう塗装しているな~と感じる方も少なくないでしょう。

錆びは「点錆び」から始まり、そこを起点に徐々に広がる傾向があります。ということは上の写真の状況の場合、既に塗り替えの時期ということになります。でも、目に見える部分の塗り替えはその気になればいつでも可能です。問題なのは手の届かないところの錆処理です。ノンスリップ金物の裏はいつ塗り替えるのでしょうか。否、ほとんどの場合、塗り替えていません。よって、何度でもそこから錆が広がりますし、その部分の錆はいつまでも成長して階段を蝕み続けていくのです。

では、“その部分”はどのようになっているのでしょうか。

上図でもわかるようにノンスリップ金物の裏は「開かずの扉」状態ですので何がどうなっているかは誰も知り得ることはできません。でも、周辺から察するに錆が蔓延しているであろうことは想像に難くありません。

この構造の良くないところはモルタル部分が元々受け皿のような形状をしていることで、水分が溜まりやすい状況です。段板とモルタルの隙間には雨水が入りますのでモルタル周辺の鉄部は一年中湿気に晒されていると言っても過言ではないでしょう。

そういった劣化に対応するために、塗装やシーリングをしたり、階段用防滑シートを貼ったり、時には塗膜系防水などもしているということであります。防滑シートについては、施工後の見栄えの良さもあり昨今よく見かけますが端末のシーリングの劣化に伴い鉄骨が錆び始めると、今度は直すことが難しくなるので注意が必要です。やはり定期的なメンテナンスは必要不可欠です。

いずれの場合でも鉄骨階段のメンテナンスは何かと頭が痛いものです。誰かに決めてもらいたい。「外部階段は亜鉛メッキにしなくてはならない」って。

階段のノンスリップタイル部分の防水の取り扱い

階段のノンスリップタイル部分の防水の取り扱いでは意見が分かれるようだ。内部や下部に雨漏りしたりモルタルが浮くなどの理由で外階段の床面を防水しているケースは多いと思うが、段鼻のノンスリップタイルは防水しないのは何故か。ノンスリップに塗膜防水を施すと滑ってしまうとか、歩行の影響で早期に剥がれてしまうとかの理由だと思います。そして、隙間からの多少の染み込みには目を瞑るという事であろうか。

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そもそも外階段の雨仕舞はなかなか難しい。床周辺の劣化が進んで来ると見た目の問題も発生するのでどうしても何かしらの修繕をしたくなるのも頷ける。しかし、はたして表面的な防水は有効と言えるのか。しかも、ンスリップタイルを露出したままで。最近は階段用の塩ビ系の防滑シートなどによる改修が普及していますが端末のシーリングの劣化に伴う水分の浸入に関するメンテナンスに気を配り続ける事が必要です。今後も実益と意匠を満足させる工法の進化を見守って行きたいと思います。

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