雨の後、ドレンの中がいつまでも濡れている気がします

RC造に於いて、数年前から下階の天井から雨漏りが確認されていたとのことで、昨年屋根の防水工事を行ったそうです。しかし、雨漏りが改善されることはありませんでした。ある程度の時間、雨が降り続くと必ず雨漏りになるという事が分かっています。

屋根のウレタン塗膜防水に関しては不具合は感じられませんでしたが、ヒアリングで分かったのですがどうやらドレン内はいつも濡れている気がするということでした。

ストレーナー内には土埃も堆積していたのでそれが乾きにくい原因かもしれませんでした。そこで、まず、その土埃を除去してみました。

すると、ドレン本体と防水押えの隙間から水分がジワジワ染み出て来ます。
おそらく、押えコンクリートと旧防水層との間に生じている隙間に保水されていると推測出来ます。

雨の度にその隙間に保水され、その一部が下階への雨漏りとなり、雨が止むとドレン側へゆっくり排出されるという事を繰り返していると考えられました。

昨年の防水工事を行ったときに改修用ドレンさえ設置していれば既に解決していたであろう事案でした。どういう経緯でこのような仕様を決めたのかは知る由もありませんが、こういうことで世の中の雨漏りを解決出来にくくしているのかもしれませんね。

外部の雨漏りは軽視されがち ベランダの下はベランダ?

一口に防水と言っても種類や仕様は様々です。

一般的に屋根部分と庇部分では防水の仕様が違いますがその差の根拠は何なのでしょうか?

一例として、ウレタン塗膜防水の場合、屋根部分は補強クロスも入りますし防水層の厚みも庇部分と比較して厚く設定されています。保証期間は10年が一般的です。(※条件有り)

そして、庇部分の仕様の多くは補強クロスは無く保証期間は5年程度とされる事が多いようです。

もちろん、庇部分でも10年保証の仕様で施工して良い訳ですが多くの場合予算の関係などの理由で5年保証仕様に落ち着くように感じます。

同じ建物で同じ環境なのに庇やベランダが屋根部分の防水仕様より簡易な仕様に設定される理由は何なのでしょうか?

決定的に違うのはその防水範囲の直下が部屋か部屋でないかという事に尽きます。

極論的に言ってしまえば、ベランダや解放廊下は雨漏りしてもそこはベランダや解放廊下であり室内のそれよりは影響(被害)が少ないので大事にならないという事です。

かくしてベランダ軒天の雨漏りは軽視され、塗膜が多少浮いたり剥がれたりしても生活に支障が無いうちは放置されていたりするのです。でも、それでいいのでしょうか?

少なからず鉄筋コンクリートであれば内部の鉄筋への影響が懸念されます。爆裂が発生する可能性が高まり同時に剥離落下の危険も増えます。また、塗膜の剥離も進行します。いくら強靭な塗膜だとしても裏側から浸水されてはたちどころに剥がれてしまいます。そうなると、建物の見た目にも良くありません。また、部分補修しても周辺と色が合わない場合、残念な状況になったりします。

建物を守るという観点から見れば、庇やベランダの防水こそしっかりした防水仕様を選定するべきだと考えます。そして、簡易仕様なものほどメンテナンスが重要になってくるのではないでしょうか。

 

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