ALCは“Autoclaved Lightweight aerated Concrete” (高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の頭文字をとり名付けられた建材で、板状に成型したものを「ALCパネル」と呼びます。~ALC協会のホームページより~

外壁

いわゆるALCパネルですが、日本ではそれなりの数の建物に使用されている建材です。最近ではパネルが回転するロッキング構法という技術で変形追従性も高まっているという話です。

しかし、我々雨漏り関係の業界では必ずしもありがたい建材とは言えません。地震の影響が他の建物より大きく、結果として雨漏りになるケースがとても多いからです。更に、雨漏りだけにはとどまらず構造体として成り立たなくなるほどのケースもたまに見かけます。

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ALCパネルはパネルですから継ぎ目が存在します、まずはそこが外力(地震や風力や振動など)の影響で挙動します。その挙動幅が大きいとパネル同士がぶつかり合う為なのかパネル自体が割れたり欠損が生じたりします。外壁仕上げが塗装ならばまだしもタイルを貼っている場合は、挙動の影響で剥離したタイルが落下します。特にコーナー付近が影響を受けます。

ALCは建材的には柔らかいため、タイル補修などでエポキシ樹脂を用いたピンニング工法は意味がありません。地震などがあると周辺の基材(ALC)ごと引抜かれる事になるからです。よって、タイルが剥がれた場合は貼替えるか、部分的に塗装に変更するような選択を迫られます。

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ALCにはいろんなメリットがあるようです。軽いのに強度が高いとか、火災に強いとか、地震にも強い?など他にもあるようで、その利便性が世の中に普及した理由なのでしょう。でも、一番の理由は比較的安価な上に短い工期で建物が完成できるという事がその大きな理由だったのではないでしょうか。

確かに、新築時はそういった判断で良かったと思います。でも、これだけたくさんの不具合事例と向き合うと「ALCってどうなのよ?」と思ってしまうのは私だけでは決してないはず。しかも、そういった事例が常にあるにも関わらず使い続ける建築業界ってこれまたどうなのよ?って思っちゃうんですよね。

個人的には「現代の建材&納まり3大悪」っていうのが心の中にあるんですけどALCは・・・?どうなんでしょうか。いずれ機会があったらUPします。

そろそろALCにタイルを貼るのは止めませんか?

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