どんなに狭い陸屋根でも排水口が1箇所だけではこの夏は不安では?

豪雨災害にまで発展してしまう最近の雨、短時間に降り注ぐ大量の雨により建物の浸水被害はいきなり発生することがあります。大量の雨や排水口目詰まりによる満水事故を防ぐためには、屋根の面積の大小を問わず排水口が目詰まりすることを想定した管理が望まれます。

しかし、目の届かないエリアにはなかなか気が回らないことが多いのではないでしょうか。今年も台風シーズンの前には目詰まりしているドレンの清掃がとても重要なのではないでしょうか。

同じ屋根内に排水口が数か所あれば満水事故の危険は分散されるでしょう。でも、そもそも狭い陸屋根ではドレンが1箇所しかない事は珍しくありません。特に排水計算によっても何ら問題は無かった数だと思います。そう、詰まることがなければですが・・・。

設計上は「ドレンが機能しない」という想定はおそらく無いのでしょう。その結果、下階天井から雨が大量に降り注ぐという満水事故がたまに発生しています。それは掃除を怠った管理者だけの責任なのでしょうか?当初から排水口が2つあれば満水事故は防げたかもしれません。

オーバーフロー:仮防水処理中    ドレン:金属プライマー処理中

もし、あなたの建物の屋根に排水口が1つしかなくても、そして、まめに掃除する自信があまりなくてもまだ希望はあります。
そうです、今こそオーバーフローの取り付けをお勧め致します。

※躯体の穿孔はなるべく影響の少ない場所を選定して実施しています。

 

 

立ハゼ葺き(立平葺き)も瓦棒葺きと同じく先端にリスク有り!

立平葺きの軒先雨浸入事例が多く報告されていますが、ハゼ葺きのような鉸め部分が狭い場合でもどうやら雨浸入リスクは免れないと言えそうだ。

ご承知のようにハゼ部という部位は板金部材の接続部分ですので慎重な雨仕舞処理が求められます。写真の状況はハゼ部分の先端であるため部材同士の隙間が発生しています。然るべき屋根勾配が確保されている場合、このような状況でも大きな弊害はないと考えられます。仮に雨が浸入したとしても、雨が止めばすぐに当該隙間から排出されるはずだからです。

しかし、こと緩勾配屋根の場合は状況が異なります。浸入した雨は唐草周辺に回り込み唐草固定用の釘などから更に浸水し下地の木材などに影響を与えます。いずれ釘周辺の木材は腐食し釘の固定力を奪います。夏場の熱射の影響などで板金が反り返ることで釘は木材から抜け出てきます。その繰り返しによって屋根板金の先端付近は固定力を失い屋根の反り返りを助長します。かくして、緩勾配の板金屋根には水溜りが発生し、隙間の開いた屋根の先端では雨の浸入リスクが高まります。

居住空間を優先した結果、「軒ゼロ」住宅や「緩勾配屋根」が考えられたと思われますが、その設計にはそれなりのリスクが伴うということを忘れてはいけません。建材はいつしか必ず劣化します。建材の性能だけに頼った建物は建材の経年劣化に伴いリスクが高まっていきます。

最近の建物の雨漏り原因の多くはこういった無理を押して設計された部位から多く発生していると感じています。今こそ、雨仕舞の基本に立ち返って建物を見つめ直すことが求められているのではないでしょうか。

 

コロニアル VS 雹(ひょう)

先日の豊島区周辺に降った雹の事はまだ記憶に新しいところであります。ニュースでも再三取り上げられており車両の屋根がボコボコになっている状況など放送されていました。

先日、その中心エリアと思われる付近の建物のオーナー様からの依頼で雨漏り調査を実施しました。当該建物の屋根は瓦棒葺きの鋼製屋根であり、雹の影響は無かったようです。しかし、内樋であったため雹が落とし口で目詰まりしたようで、オーバーフローした雨が室内に大量に流れ込んでしまったことが今回の雨漏りの原因ということが判明しました。

ゲリラ豪雨やゲリラ雷雨が頻発する昨今では益々オーバーフロー設備の必要性が高まっていると感じた案件でした。

 

 調査中に隣の屋根に気になる様子を発見しました。何やら白い粒々が散乱しています。

近づいてみました。

コロニアルの角が破損しています。
誰かが下手に歩いて割ってしまったのか・・・、
ではなく、先日の雹の仕業と思われました。雹が屋根全体に降り注いだ中で、強度の弱い角部分だけが破損したのだと推測されました。

同時に、コロニアルって雹で割れるんだ、という驚きと不安が入り混じった気持ちを感じました。全てのコロニアルが同様の状況になるかどうかは分かりませんが同程度の材料が沢山あるだろうことも事実だと思われます。今後、破損部分を起点に材料が劣化しなければよいのですが、また、次回の塗装時は補修や下地処理に頭を悩ませることになるのではないかと心配です。

コロニアルが弱いのか、雹が凄いのか、皆さんの家の屋根は大丈夫ですか?

 

防水専門 VS 雨漏り専門

小屋裏がこんなにひどい目に遭っています。この上は屋根(陸屋根)です。信じられないかもしれませんが、屋根の防水改修は数年前にFRP防水にて実施されています。

この小屋裏天井面クラックのエポキシ樹脂っぽい処理は防水改修工事以前のものなのか、それとも防水改修工事後のものなのかはオーナー様も分からないらしいです。はっきりしているのは、今も雨漏りは止まっていないという事。

不自然だと思いませんか?屋根の防水工事を行っているのにどうして室内側から止水処理を行わなければならなかったのでしょうか。雨漏りを改善させるためには雨の入り口側で修繕することが基本だというのに。(※地下室の場合は内側からも止水処理しますが)

防水工事施工前にこの止水処理行ったと仮定した場合、先ずは屋根の防水をしなさいって話じゃないですか。最初に内部(雨の出口側)から止水を試みるという意味がよく分かりません。結果、雨漏りが改善しなかったので全体の防水を実施することになったのでしょうか。

もしくは、FRP防水を実施したにも関わらず雨漏りが止まらないのでこのような所業に打って出たのでしょうか。それって、防水の品質の問題?それとも防水範囲以外に原因が存在していた?未だに原因は不明であり、オーナー様は憂鬱な日々を過ごされています。

【防水施工技能士】の資格は厚生労働省が主催する国家資格であり防水工事に携わる人々には必須資格とも言えます。対外的に技術の確かさを判断する基準にもなると思います。でも、技術が高くてもこと雨漏りとなるとその技術を活かせない事もあるようです。「雨漏りの原因を改善する事」と「信頼に値する防水工事を行う事」とはそもそも目的が違っています。どんなに素晴らしい防水工事を行っても、雨漏りの原因から外れていては何も改善しません。

防水施工技能士が防水の専門家だとすれば【雨漏り診断士】は雨漏りの専門家です。
雨漏り診断士は各種防水の特性はもとより建物の構造や納まり、外装材や二次防水など、見えない部位まで含めて総合的に雨漏りの原因を読み解きます。防水施工技能士の目的が「高品質の防水工事」だとすれば、雨漏り診断士の目的は「雨漏りの原因を突き止め雨漏りを改善する事」です。そのためには、その原因を突き止めるためには、雨漏りの原因調査が必要不可欠です。冒頭の写真の案件も、雨漏りの原因調査を行っていればこんなにも迷走することは無かったのではないでしょうか。

雨漏り診断士が雨漏りの原因を突き止め、防水施工技能士がそこの防水工事を行う。それはいいことだと思います。そうは思いますが、雨漏りの改善には防水工事だけでは改善しないことも多いのです。原因の数だけ修繕方法があると言っても過言ではありません。雨漏り診断士は雨漏りの原因調査だけを受け持つと思われている方もいると思いますが、原因調査に留まらず最適な修繕方法まで検討してこそ頼れる雨漏り診断士と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

 

屋根を葺き替える前に出来る事があります

原因不明のままでドクターは治療や手術を始めませんよね。

先日、雨漏りもそれと同じだという話を雨漏りの権威の方から伺いました。
病気の原因が分からないままでは治療の方法が決まらないということです。

建物に於いても、明らかな外傷を伴なわない限り、思い込みで補修工事を行ったとしても雨漏りが解決する確率は低いと言えるでしょう。例えば、病院でお医者さんが「原因はたぶん○○だから、取りあえず△△の薬を飲んで下さい」って、不安じゃないですか?そして、おそらく何度も通った挙句、病気が改善する事はなく別の病院を探すことになるのです。

雨漏りの原因は建物によって千差万別ですのでそれぞれの原因にあった対処をしなくてはなりません。間違った処方箋を元に治療を行えば余計に悪化を招くことだってあります。天井の雨漏りが必ずしも屋根に原因があるとは限りませんし、壁の雨漏りの原因が外壁にあるとも言い切れません。また、原因は一ヵ所とは決まっていないのです。

たいして建物の状況を確認する事もなく、いきなり「屋根の葺き替えが必要です」とか「このまままでは建物がダメになります」とか「防水が限界だからやり直しましょう」とか言い出す輩を信用してはいけません。大抵の場合雨漏りは改善しません。たとえ改善出来たとしてもそれは偶然ですし、そもそもそこまで予算を掛ける状況ではなかった可能性が高いと思います。雨漏り調査を実施し、ピンポイントで原因を突き止めることは修繕費用の軽減にもつながるという事を忘れないでほしいのです。

状況の確かな見極めと正しい処方の両方が雨漏りの改善には必要不可欠です。
病気の事は医師(できれば名医と言われる医師)に、雨漏りの事は「雨漏り診断士」に相談して下さい。それが、貴方にとって最善の結果をもたらしてくれるはずです。

 

 

ルーフバルコニーは屋根。では、バルコニーは?

どうやら「ベランダ」と「バルコニー」の違いは【屋根】の有無で決まるらしい。
どちらも建物の外にせり出した部分という共通の条件のもと、屋根が有る場合が「ベランダ」、屋根が無い場合は「バルコニー」となるようだ。

マンションなどは、各階が同一平面になる事が多いので、そのせり出した部分には大抵の場合屋根(上階の床部分)が有ることになる。よって「ベランダ」となる。その「ベランダ」でも、例えば最上階で庇が無い場合は「バルコニー」と呼ばれるということのようだ。

というように、「ベランダ」と「バルコニー」の“差”は【屋根】の有無ということであるが、“共通する事”としてはどちらも【下階がベランダ】ということである。仮に「ベランダ」や「バルコニー」の床付近に雨漏りの原因が存在していて下階に雨漏りが発生したとしても、その多くは下階のやはり「ベランダ」天井付近に発生し、室内側に雨が向かう確率は低いと考えられる。(※壁面付近に雨漏り原因があった場合はこの限りではない)

では、「ルーフバルコニー」はどうだろうか。
「ルーフバルコニー」とは、本来下階から見ると屋根である部分に設けたバルコニーのことである。名前にルーフ(屋根)が付くのはこのためである。逆に言えば「ルーフバルコニー」の下は「居室(室内)」ということである。どうだろう、危険な匂いがしないだろうか?もしも、ルーフバルコニー内に雨漏りの原因が存在していた場合、直下は室内であるからその結果は恐ろしい限りである。

 

・ここまでのまとめ (^^)/
ということだと。

 

然るに「ルーフバルコニー」と「ベランダ」では防水の仕様が異なる。いわゆる「ルーフバルコニー」は下階の屋根であるから一般の屋根と同レベルのしっかりした仕様にする必要がある。一方ベランダは多少簡易な仕様でも問題は少ない。一般的なRC造のマンションの場合、やはり「ベランダ」の防水仕様は簡易的に取り扱われているし場合によっては防水は施されていない。

ここで注意したいのが、「ベランダ」には仮に防水を行わなかったとしても「バルコニー」にはたとえ簡易仕様でも防水処理を行うべきだということである。何故なら「バルコニー」は下階のベランダから見れば常に雨ざらしであり、役割としては屋根(庇)に他ならない。もう一度言うが「バルコニー」の床は基本的に下階の【屋根】である。

そういう区別的な意味でも「ベランダ」と「バルコニー」の理解は必要なのかもしれない。長らく建築業界に携わっているがいつも曖昧になるのでこの機会にしっかりと頭に叩き込みたいと思う。しかし、話す相手が同じ認識でない場合は話がかみ合わないかもしれない。

バルコニーに限らず、直接雨に打たれる(曝される)部位は「斜壁」も含め屋根として仕様を決める事が大切であるが、新築時にそのような仕様になっていないのであればせめて改修工事のタイミングで仕様変更の検討が行われることを望むものである。

ところで、「テラス」と「バルコニー」の違いって?

コロニアル葺VS瓦葺き 屋根の雨漏りを考える

予てより直貼りサイディングは室内側で結露が発生することが問題視されています。そういった結露の影響もあったかとは思いますが、今回は目地シーリングの劣化に伴う浸水が主な原因だったようです。

シーリングの劣化などが原因で、しばらく前からサイディング裏面の一部に雨水が入り込んでいたようです。下屋水上の水切り金物立上り部分とサイディングに挟まれた形でアスファルトフェルトとサイディングが雨水の影響で融着していました。下の写真は撤去したサイディングの裏面です。融着跡が確認できます。

融着した状況下では、劣化目地部分から供給された雨水が下方(屋根側)に排出されずサイディングとアスファルトフェルト間を迷走します。その滞留雨水のエリアにステープル(タッカー針)があったため、しかも周辺がほんの少しですが破れていたため室内側に浸水し下階天井へ雨漏りとして浸出していました。

この雨漏りは、風を伴なう長雨の時に発生しました。サイディング裏面に浸入した雨水が排水量を上回り滞留雨水が増えた事で雨漏りになったのでしょう。通常の雨天時でも多少の浸水はあったと思いますが室内まで到達する事はなかったようです。通気工法であればあり得なかった事象だと言えます。

最近は通気工法が主流になっていますが直貼り工法で施工された建物はまだまだたくさん残っていますので同様の事例は今後も見受けられると思います。雨漏り調査はサイディングが直貼りなのかどうかの確認を行う事から始める事が賢明です。また、この手の雨漏り調査では水分計も活躍しそうですね。

さて、同じような仕組みとも考えられる屋根のコロニアル葺きでも似たような事例が発生しています。基本的にコロニアルは直貼りですのでルーフィングと密着している部分があります。コロニアルとルーフィングの隙間を流れて来る雨水はほぼ屋根面全体に於いていちいち停滞しながらコロニアル下層を流れていると考えられます。ルーフィングの継ぎ目やコロニアル固定用の釘の廻りから浸水しても何ら不思議ではありません。特にルーフィングの経年劣化が進んだ建物では雨漏りリスクも高まるのではないでしょうか。

壁に例えるならば、瓦葺きは通気工法、コロニアル葺きは直貼り工法、といったところでしょうか。どちらが建物にとって良い環境なのかは言わずと知れています。但し、「雨漏りに関しては」、という事ですのであしからず。

 

 

 

突き抜ける軒先水切り(唐草)

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軒先の水切り金物(唐草タイプ)が立ち上りのルーフィングを突き破っていました。(緑線が撤去前の水切り位置)

下の写真は小屋裏内の雨漏り再現状況の様子です。

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コロニアルの不具合が原因できわ谷金物の下部に雨水が回り込み、屋根先端付近のルーフィングの穴から小屋裏に浸出していました。その後、軒裏を移動した雨水は壁内を落下し下階で雨漏り事象となっています。再現に時間を要する調査のため結果を導き出すまでに数日間を要しました。

入隅部分のルーフィングは直角(矩)には施工しにくいためその付近の金物の取付けには細心の注意を払う必要があります。ルーフィングを下地に密着させないと空洞が生じ破断しやすいという訳です。

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おそらく新築時からこのような状態だったと思われますが、数年前に雨漏りを改善させる目的もあって外壁を塗り替えたとの事でした。当然ながら外壁の塗装ではこの雨漏りは改善しなかった次第。ちょっとした施工時の不注意が後に余計な予算を浪費させる事もあります。

 

 

複数浸入雨漏りの極み

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かれこれ三年ほど前だったでしょうか。最初の雨漏りの連絡があって状況を確認しに伺った時は外壁の塗装を行って間もないピカピカの状態だった事を覚えています。散水調査のご提案をして間もなく調査を行わせて頂き原因箇所を突き止めました。改善には屋根の板金作業も必要で外部足場を設置した上で改善作業を執り行わせて頂きました。①の部分でした。しかし、この時、この建物の雨漏り対応がつい先日まで続く事になるとは夢にも思わなかったのです。

再発の連絡があったのは最初の改善作業から数か月経った頃でした。確認も含め①の部分を再度検証しましたが問題はありません。その後、周辺の調査を行った結果②の部分に雨の入り口を発見。再度、雨漏り改善作業を行わせて頂きました。入口は違っていたのですが出口が同じになってしまう為、どうしても【再発】と受け止められる事は致し方ないと思います。確かに、一度の調査で見つけられなかった事も事実であります。

その後、数か月毎に再発のご連絡を頂く事数回。その度に新しい入口を見つけ出すのですが、何故か出口は同じという事でこちらの原因説明が言い訳っぽくなって聞こえてはいないだろうかと感じとても気まずい思いをしたものでした。それでも、毎回、私たちの説明に真剣に耳を傾けて頂き、理解をして頂いた事には大変感激致しております。そして、いつも美味しい飲み物とお茶菓子をありがとうございました。心より感謝申し上げます。

時は流れ、今年も台風シーズンに再発したという事でまたまた伺わせて頂く事になったのですが、今回は今までと少し状況が変化していました。最初に訪れた時には無かった(隠れていた)外壁のクラックがあちらこちらに散見されたのです。そして、今回の原因はそのクラックでありました(ラスモルタル仕上げなのでモルタルの亀裂と一緒に防水紙も破断していると考えられる)。

思えば、三年前の最初のヒアリングの時に奥様は言っておられました。クラックが目立ってきたので全体の塗装をしたばっかりなのに雨漏りしたんですよ。と。

そのクラックが今になって徐々に目立って来たようです。そして、そこにも雨漏りの原因が潜んでいたのです。この数年間は何とか塗膜で持ち堪えていたのでしょう。もしかしたら、それらのクラックが原因でまだしばらくはお付き合いする事になるのかもしれません。今度は違う場所からの浸出を望んでいる?事は言うまでもありません。

エキスパンションジョイントの雨漏りは止まらない?

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エキスパンションジョイントからの雨漏りに受け樋を取りつけている建物に度々遭遇します。地震による建物の破壊を避ける意味合いなどの理由で建物同士が接続されておらず隙間が設けられている部分です。長い形の建物の途中やL字状又は複雑な平面を持つ建物の交点に設置される事が多いようです。

躯体間の隙間は下層では50mm程度、上層は100mm~150mm程度とされる事が多いようですが、過日の東日本大震災の時は東京でも躯体同士が接触した現象が確認されました。エキスパンションジョイントの金物にしても許容範囲を超えてしまい破壊されたり大きく湾曲したりしていました。隙間の幅も見直さなければならないのかもしれません。

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共用廊下部分に取り付けられている場合は、仮に雨漏りがあっても下部も共用部ですから室内のそれに比較して大事にはなりにくいかもしれません。それでも歩行中に雫が頭に滴るのでは不快ですので何らかの手立てが必要になる訳です。その対応策が「受け樋」のようになるわけですが、今やその方法が常識にもなっている感があります。

エキスパンションジョイントはおおよそ下の写真のように納められており地震などの揺れを効果的に受け止めそして受け流す機能を有しております。雨水に関しては天井側に設置されるシート系の材料で受け止めるように作られているものもありますが、そもそもそのような機能を持ち合わせていない製品もあります。

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動く場所ですから、雨の侵入を完全には止められないかもしれません。だからと言って、漏れるのはしょうがないという事で開き直られても困ります。ある意味、天井側で受け止めるという方式は理に適っていると言えるのでしょう。製品側に雨受けシートが組み込まれていない場合はいずれ受け樋等を取りつける事になるのかもしれません。

ところで、散水調査などで使っているホースのジョイント部分はクルクル回転できるのに水は漏れないんです。何か不思議じゃないですか。水圧がかかっているのに漏れないんですよ!(水圧がかかっている方が漏れないのかもしれないが、たまに漏れる部品に遭遇するので納まりの精度が要求されるものだと理解できる)

同じく、ガソリンスタンドの給油ノズルの根元も回転するのにガソリンは漏れませんよね!すごいと思いませんか!そのシステムをエキスパンションジョイントに応用できませんかね?何卒よろしくお願い申し上げます。

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特に専用の金物を設けていないジョイント部分の床面金物を取り外した状況(雨漏り対策工事中)

 

真空コンクリート防水?

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真空コンクリートって通常のコンクリートと比較して圧縮強度が高くなる効果があるといいます。他にも密度が増加し防水性が向上するらしいし、吸水性の改善、クラック発生の低減効果も・・・、それって最高の防水下地ですよね。というか防水コンクリートのようにも感じられます。

誰か試してもらえませんか? 陸屋根で。

報告はこちら ↴

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株式会社建水プロテクト|東京都練馬区の雨漏りと防水を考える会社

関連サイト

 

雨はさっさと流す。溜めない。澱ませない。

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いい天気ですね。
こういう日は屋根に上ると気持ちがいいものです。
今日は防水の現状確認と採寸のためRCの建物の屋上に来ています。

一般的に防水工事の単価は市場原理によって大きな差は無いと言われています。しかし、建物の状況はそれぞれ違う為、防水作業前に行わなくてはならない下地処理作業もそれぞれ異なる訳です。

同じ防水工事を行うとして数社から見積もりを取った時に金額に差が出るのはこの下地処理部分の差だと考えられます。

しっかりとした下地処理を提案する会社ほど工事費は当然かさむ傾向があるのですが、オーナーさんがその部分に対してどのようなお考えをお持ちかによって業者の選定結果は異なります。

しっかりとした下地処理を行い建物をより永く使用できるようにと提案する業者ほど胡散臭がられる事になったりもしているかもしれません。逆に大した下地処理もしない為価格がお安く口が達者な業者さんほど世に蔓延ってしまうのかもしれません。

最初の改修工事ではなかなか業者の良し悪しも分かりにくいかもしれませんが説明が腑に落ちる業者さんを選ぶ事がこれからは大切なのではないでしょうか。

さて、写真の屋根には最初から防水層が存在しません。コンクリート素地のままなのです。築20年以上経過していますが雨漏りは有りません。少し爆裂が発生しているぐらいです。防水層が無いから膨れたり捲れたりもしません。発想がすごい素晴らしい工法だと私は思います。

流石に劣化が進んできているという事で防水工事の話しが出てきたわけですが劣化部分の補修を行えばしばらくこのままでも行けるのかもしれませんね。コンクリート強化剤などで復活させられればいいなと考えています。

よく見ると一般的なRCの陸屋根と比較して水勾配がしっかり確保されていてコンクリート面に雨が長らく澱む事は無いようです。いわゆる水切れが良い状態なのです。これはまさに雨仕舞の考え方です。雨はさっさと流す。溜めない。澱ませない。よって、水分の影響が少なく、結果下地も劣化しにくいという事なのです。

何でもかんでも防水に頼らなくても雨仕舞で解決出来る部分が建物にはまだまだ沢山あるのではないでしょうか。だって、昔は防水なんて無かったのですから。

塩ビシートはメンテナンスフリーって本当?

個人住宅2軒にて同じ大手ハウスメーカーの建物で同じ不具合に出会いました。ベランダの塩ビシート防水に亀裂が発生しています。ビル、マンション等で使用するシートと比較すると少し薄い材料になっています。

塩ビシートは比較的耐候性が高いと言われておりメーカー仕様によっては20年間メンテナンスフリーと謳われているものまであるようです。すごいですよね。(今や30年保証まで出現!)

しかし、塩ビシートも紫外線の影響で柔軟性は衰えますし以外に縮むんですよ。縮むだけならいいんですが、縮む力で固定金物を引っ張ったり、金物が動かないとなるとシートの中で引張力が強く作用する場所に亀裂を生じさせたりします。亀裂は当然雨漏りに直結します。

DSC07645 入隅が金物ごと浮かされています(断熱仕様)

DSCF6053 引張力の影響で破断しています(密着仕様)

それこそ築20年前後も経過している建物であれば全面防水改修という判断にもなるでしょう。しかし、保証書の効力が無くなった10年目以降の例えば11年目とか12年目ではなかなか全面改修の決断はしにくいところだと思います。一部しか問題ないのに全面改修?って思うのは当然でしょう。面積が大きければなおさらだと思います。

ところが、塩ビシートの厄介なところは補修しにくいというところなのです。補修方法はいくつか考えられるのですが、例えば既存のシートの上に同じ材料でパッチ補修みたいな事を行う場合、付着が芳しくないと言われています。他の材料にしても同じく付着が弱くなる傾向にあります。もちろん目粗ししてもです。すぐダメになる訳ではありませんが何せ耐用年数が低くなりがちで再補修を念頭に置きつつ作業にあたる場合が少なくありません。シートの収縮する力はハンパなく非常に厄介です。シーリングだけの補修では速攻剥離破断します。

最近では耐候性を大幅に改善した補修用テープもあるようです。少しコツが必要ですが収縮性も高く数年間は止水効果を維持できると思います。少なくとも毎年手を加えるという最悪の事態は避けられると思います。全面改修の時期まで持ち堪える事を期待します。

DSCF6274 念のため二重貼りしています

ご意見・お問い合わせ

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RCの建物にはオーバーフロー設備が少ない ~雀の行水~

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オーバーフロー用の配管です。市販されている物のおよそ倍の長さがあります。取り付ける壁厚が大きいため特注で製作して頂きました。取り付ける建物は鉄筋コンクリート造です。おおよそ下図のように取り付ける予定。(既存立上りに後付け)

コア抜き OF取付け

木造戸建ての建物と比較してRC造の建物にはオーバーフロー対策があまり施されていないように感じるのは気のせいでしょうか。屋上がプール状になっていたのを数多く見かけますがオーバーフロー設備は当然ありませんでした。溜まっている雨水で雀が行水していたのを見かけた時にはさすがに笑ってしまったものです。

それでも下階に雨漏りが無い場合は気付くまでには時間が掛かるようで、ある時などはヤゴ(トンボの幼虫)が泳ぎまくっていたり、水草が浮いていたりで完全に池の様相を呈していました。一体いつからこのような状況だったのか・・・。(防水の性能が証明されている結果ではあるが)

商売柄、点検をしていない(したことが無い)ような屋根を隣の建物から発見する事が少なくありません。屋上に行く(点検する)術が無い建物が多いという事も問題なんだと思います。オーナーさんに報告し溜まった雨水を流してあげるのだが、ここで注意する事があります。流れ出す雨水の水圧でドレンに手が引き込まれる現象が起きるのです。

私は細い棒などで少し遠くから少しづつ突いて穴を開ける方法をお勧めしたい。くれぐれも近距離でしかもいきなり溜まった泥を取り去ってはいけない! パニックになる事間違いなし。

仮に何の問題もなく穴を広げられたとしても、もう一つの注意事項が発生します。それは、急激に排水される雨水の水圧です。竪樋内をものすごい勢いで落下した雨水の塊は、直下もしくは最も近い雨水桝の蓋(プレコンや鋳物)を吹き飛ばします!とても危険です!しかも排水しきれず桝から大量に雨水が溢れ出ます。

そこが駐車場だった場合はそれなりに問題視される事でしょう。もしも、あなたがその役割になってしまったら少しづつ排水させる技を講じなければなりません。私もそうしています。ある時は排水作業に2日間を要した事もあります。でも、そのくらいでないと大変な惨事に発展するのですよ。

設計士さんはどうしてドレンが目詰まりしないと思ったのでしょうか?誰かが点検をして掃除までしてくれる事が当たり前のはずだからでしょうか。でも、それは不確実だと思うのですが。

要するに、RC造でも最初からオーバーフロー管を計画してほしいという話です。

(でも、どうしても後から設置しなくてはならなくなった場合はご連絡下さい。)

株式会社建水プロテクト|東京都練馬区の雨漏りと防水を考える会社

 

 

忍び返し

DSC08060 DSC08061 「忍び返しバンド」で検索するといろんな種類のものが検索できます。泥棒の浸入防止グッズという事で近年普及してきているようです。結構危険な形状に見えます。知らないで触れようものなら血だらけになる事間違いありません。いわゆる抑止力としてのバンドだと思いますので普段近寄れる位置にはくれぐれも取り付けないように注意したいものです。

先日、有刺鉄線を巻き付けている竪樋を見ました。錆も発生していて見た目は良くありません。そもそも危険を冒して竪樋を伝って浸入する輩にまで気を使わなければならない事が腹立たしい。だって、竪樋を塗装するにはまずその有刺鉄線を撤去しなくてはなりません。少なからず手には擦り傷の一つも出来るでしょう。そして、塗装後には復旧してくれと頼まれます。という事は今塗った塗膜は間違いなく傷付きます・・・。塗装を行った職人さんも心が傷つくというもの。有刺鉄線にもステンレス製のものがあるのでせめて錆対策として使用しますが。そういった一連の事を考えた時に「忍び返しバンド」は有効だと考えます。

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釘は貫通している

DSCF5531小屋裏です。先日化粧スレート(コロニアル)を葺き替えたそうです。コロニアル固定用の釘がたくさん確認できますね。梁には以前の雨漏りの跡があります。雨漏りは今は改善しているそうです。写真の屋根下地であるベニヤ板の上には二次防水であるルーフィング材が敷かれているはずです。最近は自着層付のルーフィング(ゴムアスシート等)が主流になっています。そして、その上に化粧スレートを葺いていて釘で固定しています。その釘が写真のように小屋裏に突き出ています。これは一般的な施工方法ですが二次防水であるルーフィングを釘が貫通している事に問題はないのでしょうか?

化粧スレートや瓦などは一次防水を担っていますが雨を100%遮断する事は不可能です。強い雨や強風が伴った雨の場合はそれなりの雨量が二次防水層まで浸入しています。当然、固定している釘の周りにも雨は到達します。ルーフィングや下地ベニヤが新しいうちは釘の周りには隙間などは少なく雨も小屋裏まで到達する事は多くありません。しかし、時間が経つにつれルーフィングの柔軟性は失われていきますしベニヤ板の釘の廻りも水分の影響で徐々にふやけたりしますので止水効果は減退します。釘が錆びる事によって止水力が落ちる場合もあるでしょう。そして、写真の建物のように天井に雨が漏り出すことになるのです。

DSCF5530こんな感じです。

日本では、スレート系の屋根の場合はおおよそ同様の工法で屋根が葺かれています。瓦屋根の場合は瓦桟を固定する時にはやはり釘止めですが、瓦に関してはルーフィング上の排水方法は確立されていると言えるでしょう。瓦桟受という部材を使えば更に排水効果を高めるので雨がルーフィング上に留まる時間は短くなり雨漏りの確率を下げてくれます。不安なのはやはり化粧スレート葺きでしょうか。スレートとルーフィングが密着している部分がある為、雨水が澱みやすく雨漏りリスクが高くなっています。陸屋根以外の屋根で雨漏りがあった時、スレート葺き屋根が問題となっていた確立は8割を超えています(練馬店の場合)。

屋根工事を生業としている方々に問えば「それは、メーカーがそういう仕様で製品を作っている訳だし、建物には多少の雨は浸入しているものだから問題は無い」的な事を答えます。確かに、問題があったとしても彼らが改善出来る事ではないのでしょう。しかし、現場側から声を挙げなければメーカー側としても改善する考えは出にくいはずです。運搬、加工、施工費、全ての面で魅力的な化粧スレートは爆発的に普及し日本の建築を支えてきました。しかし、その陰で気づかない小屋裏の雨漏りは増えている可能性は高いのではないでしょうか。そこに建て主さんは不在です。新たな対策を共に見つける事が建築に携わる者としての使命ではないでしょうか。

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うちどい

写真の因果関係がわかるでしょうか。

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アスファルトシングル葺きの屋根が経年劣化に伴い表面の砂材(彩色砂粒というらしい)が無くなっています。さて、その砂材はどこに?雨などの影響で下方流れて行きます。先には樋があります。一部は樋内に溜まります。自然に降り積もっている土などと混ざります。動かなくなります。植物が生えます。雨が更に滞ります。天井に雨漏りします。RCなのに。

これは、内樋であるがための結果です。先端に軒樋が有る場合は樋が詰まる事はあっても天井には雨漏りはしません。意匠的な配慮で屋根が内樋になっている建物は数多くありますが、シングル葺きは再考の余地があると言わざるを得ません。仮にシングル葺きでない場合でも内樋が原因となる雨漏り事例は沢山発生しています。その場合、形状変更をお勧めしたり、オーバーフローなどの対策をご提案させて頂いております。何度も言いますが‟形で流す”事が建物にとって最良であると私は考えております。10年後20年後、そして50年後100年後まで考えた設計が当たり前だった先人に学ぶ事は多いのではないでしょうか。

 

オーバーフローが必要である。

「オーバーフロー」を辞書検索すると、何種類かの意味が表示されますが、ここでいうオーバーフローは「余分な液体の放出口。排水口。」の事である。余分な液体とは【雨水】の事であります。

通常、屋根に降り注いだ雨は適切な排水口(ドレン)から随時排出されて行きます。雨は、屋根の上を通り過ぎて行くだけで何の悪さも考えてはいません。しかし、排水口周辺に堆積する泥やゴミなどの影響で世の中にある多くの排水口は当初の排水能力は持ち合わせていないと考えるべきでしょう。

計算上では排水能力に多少余裕があると思いますが、詰まってくるとその数値は無意味です。特に最近では‟局所的な豪雨”も頻繁に報じられており、余裕を持った排水計画が重要になって来ています。

陸屋根のオーバーフローは、通常、床に近い高さの壁面に設けられている事が多く、水位が上昇するとそこから外部に雨水が放出される仕組みになっています。それによって、室内側への浸水事故などを防げるという事です。仕事がら人様の屋根に上る事が多いので(というかそれが私の仕事そのものなので)いろんな排水口の状況を見てきました。結果、かなりの確率で排水口の周りには泥やゴミが堆積しています。それは、清掃の問題も去ることながら、泥が堆積する理由の一つは排水口の手前が少しだけむくんで(微妙に盛り上がって)いる事が多いという施工上の理由もあるようです。

よって、雨が上がってもしばらくの間、水たまりが残るという訳です。その水溜りに空中の埃が沈み込みその後蒸発と共に固化して堆積して行きます。泥は枯葉などを取り込みながら増殖?して行き、場合によってはそこに苔やら雑草やらが発生して来ます。これが排水口付近で発生すると排水口がどこにあるのか分からなくなってきます。

そこまで酷くはないにしろ流れの悪くなった陸屋根に大雨が降り注いだ場合、需要と供給のバランスで漏水事故につながる危険が高まって来ます。

何か、人間の血管の不具合と似てますね。澱みは早期に改善した方が無難です。大変な事になりますよ。停滞はいけません。でも、血管にオーバーフロー(バイパス手術)を取り付ける事は難しいですが建物にはいつでも取り付けられます。一度考えて見てはいかがでしょうか。