『届かぬ想い』~深目地(沈み目地)のシーリングに於ける落とし穴~

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シーリングはタイル目地の底まで届いていますか?
縦方向はもちろんですが、深目地(沈み目地)系のタイル外装では、雨は目地に沿って横方向にも移動します。その横目地の端部がサッシなどの開口部だった場合、そしてそこに不具合があった場合は雨漏りの原因になる可能性があります。

たとえ、目地端部に穴があったからといって必ず雨漏りするものではありません。躯体とサッシ部材の間が適正に処理されていればなんら問題はありません。しかし、この部位のシーリングの下層はサッシ埋めモルタルであることが多く止水機能が高いとは言えない部位です。

もしも、シーリング材が目地底まで到達していない場合、雨水はじわじわと内装に影響を及ぼしいつの間にか雨染みが発生していることでしょう。

こういった写真のような状況はさほど珍しいものではありません。これは、タイル貼り後の目地埋めをする時に端末部分に詰める目地セメントが少し不足していることなどが原因と考えられます。また、その後のシーリング作業では、タイルの角とサッシの隙間を埋めるべくマスキングテープで養生をしますので押し込みが弱いとシーリング材は目地の不足部分まで充填されない状況になります。

以上のように、目地に穴などがあった場合で雨漏りに至る条件としては、

➀化粧シーリングとタイル目地が密着していないため下地にまで雨水が到達する。
➁化粧シーリングが目地底まで到達していないためシーリング裏に雨水が廻りこんでしまう。
➂サッシと躯体間に捨てシーリングが無い。もしくはあっても劣化している。

などが考えられます。

➀の補足として、仮にタイルや目地材が密着していたとしても目地材の止水効果はあまり期待できないので内部に問題がある場合は深目地ほど雨漏りの危険が高まります。

上図は【「捨て打ち」は本当に❝捨て❞なのか】より引用

 

この部位も「タイル屋さん」と「シーリング屋さん」の❝取り合い❞部分ですので、新築施工中はお互いにギリギリの❝ライン❞でのせめぎ合いがあるのでしょう。管理者の眼力が問われますね。

 

 

投稿者:

kensuiprotect

雨漏りの形態は、建物の構造や状況によってそれぞれ違って参ります。さまざまな雨漏りの状態を的確に受け止め、先入観を持たずに対応する事が雨漏り修理には大切です。複合的な原因により雨漏りが発生している事も多く、一度の処理だけでは改善しないかもしれません。しかし、状況の観察や諦めずに対応を続ける事により、必ずや雨漏りを解決致します。 たかが雨漏り、されど雨漏り、私たちは諦めません。皆様も私たちと一緒に諦めることなく雨漏りに立ち向かって参りましょう。 【建物を雨水から守る会社、建水プロテクトです】  雨漏り診断士 藤田 裕二

原因は必ずあります。あなたにリスクはありません。

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