恐るべし板橋区

木造,小話

かなり前の事、板橋区役所から連絡があり、住民の雨漏り相談に応じてほしいと連絡がありました。雨漏りで困っているがインターネット環境も無いため区役所に問い合わせて来たとの事。そのお宅へ行った所、それは、考えられないほど老朽化している木造の2階建てでした。屋根に上るのも壊れそうで大変でしたが、屋根瓦の下地が柔らかくなっていて踏み抜きにも注意しながら現調しました。状況を伝えて補修のお見積りをご提出しますという説明している最中にも「高いんですか・・・、いくら掛かるんですか・・、家にはお金があまり無いので・・」としか言いません。問題は全体にありますが、取り急ぎ部分補修しか出来ない事を伝え納得してもらいました。私も人の子、人助けと思い10万円前後の補修のお見積りを提示したかったのですが、この際と思い半額程度で作成していざ提出に。でも、あの感じでは5万円でも考えちゃうかも・・、と悩みつつお見積書を渡しました。それを見た住人のおばちゃんは…、「えッ!こんなに安いの!このくらいだったらもっと早く連絡すればよかった・・・・(終始笑顔)」と! ショックのあまりその後おばちゃんが何を言っていたか覚えていません。

後日、勝手に決めつけていた自分を猛省しながらやりきれない思いで利益の無い補修作業を見守っていた事をたまに思い出します。しかも、作業後は即金で支払ってくれました。それ以来、相手の感覚や状況に合わせたご提案は無意味だと確信し、自分の信念で有益なご提案を伝えるように心がけています。小手先の作業をご提案し、雨漏りが再発する事はお互い望んでいないはず。自信を持って有益な解決策をご提案出来るように精進したいと思います。今でも「このくらいだったら・・」の言葉が脳内をグルグルしています。このくらい・・って、人によって違うのですよね。恐るべしおばちゃん。恐るべし板橋区。

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Posted by kensuiprotect